森とコーヒー。はじまりの話。②「移住先でのアルバイト生活」

森とコーヒー。は福岡県糸島にある小さな珈琲店です。

お店のはじまりのストーリーを書いています。書き手は妻の方。ぜひ①からお読みください。

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福岡県糸島市へ移住しました。すぐにはお店をオープンできないので夫さんは飲食のお店で社員として雇ってもらいました。私はカフェとレストランでアルバイトをしました。この生活は1年半続きます。

振り返るとこの1年半が一番辛かったです。

都会の会社から観光地の飲食店へ。当たり前だと思っていたルールが適用されない世界へ来てしまいました。私のお守りだった学歴や職歴は誰も聞いてくれません。

私は”仕事できないやつ”に成り下がりました。いろんなことが同時に起こると覚えられないんです。お客さんに「水ください」と言われた直後にスタッフ仲間に「あのテーブルのデザート出てる?」と聞かれると水のことを忘れる。料理を出したついでに食器を下げてくるという当たり前のことを忘れる。みんながテキパキできることが私にはできない。そのくせシステムやルールは気になることが多くて口を出してしまいました。「もっとこうすれば効率上がります」とか言ってました。

その場その場に理(ことわり:道理や筋道のこと)があります。私が知っているルールがいつも適用されるわけじゃないし、正しいわけじゃない。身に沁みて感じました。

今振り返ると楽しかったし、飲食店スタッフのみんなの心には、いつも純粋な信念があったように思います。「お客様に楽しんでもらいたい」と。とっても素敵な姿勢を学びました。

何が一番辛かったかというと、頑張ってアルバイトしてると「開業準備が進まないこと」です。

飲食店の忙しさたるや!(二人とも超人気店で働かせてもらってた)

全然自分の時間が持てないのです。アルバイトで疲れて眠るだけの日々。「私は何してるんだろう」という自問自答で精神的にとても疲れました。

夫さんは特に、雇ってもらった会社にだいぶコミットしてました。素敵な会社だし人もいいから、それはいいこと。だけど私から「開業のために時間を使え!今の仕事頑張りすぎるな!」と言われて板挟みで辛かったと思います。

大変だったけど、助けてくれたのもこの時出会った人たちです。1日喫茶を開催するために場所を貸してくれたり、食器を貸してくれたり、何より「早く開業すれば」と背中を押してくれました。

この時期は辛かったけど、移住先で一回仕事させてもらってから開業するのはおすすめです。今もその人間関係は続いていて、私たちの宝物です。

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