コーヒー屋になるまでの話。⑤

何をしたら、前に進めるのか。

2015年12月27日、夫が初めてコーヒー豆の焙煎に挑戦した。

ガスコンロの上で網に入れたコーヒー豆を直火で焼く、いわゆる手網焙煎というやつだ。

カフェを開業しようと決めて、お金を貯め始めてはいたけれど、他に具体的に何をしたらいいのかわからなかった。飲食店で働いて修行?カフェの専門学校に通う?コーヒー関連の資格をとる?

あの頃の自分にアドバイスできるなら、「とにかく動け」と言いたい。

学校に通うことや資格を取ることは、カフェをはじめた後にその知識が役立つと思うけど、「お店をはじめる」ということには繋がらないと思う。学校を出て就職をした人なら、まずは教えてもらう環境を探すことや資格取得に走りたくなるだろう。でもこれじゃ始まらないのだ。それにそんな時間やお金はないのだ。

できなくてもいいから、場所を借りて一日カフェをやってみるとか、コーヒー焙煎を実際に自分でやってみるとかそういうことが必要。

でも私はこわかった。イベントをやっても人が来なかったら?自分が考えた店の名前やコンセプトを発信するのって恥ずかしい!こんな気持ちがまだあった。(今はなんとも思わない。むしろワクワクするし、発信することは気持ちいい)

そんな中、夫が焙煎にチャレンジした。味は覚えていない。とにかく焙煎したということが大きな一歩だった。あの日から夫はものすごい回数豆を焼いて、ずっと独学で焙煎をしている。コーヒー屋に専念できたのはここ1年の話なので、仕事が終わった深夜や早朝に豆を焼いていた。

何をしたら、前に進めるのか。会社員だったのに30代前半で退職してコーヒー屋になるという人が近くにいなかったので、誰も教えてくれなかった。どうやったらその道に行けるのかわからなかったのは初めてだったかもしれない。そんな時はとにかく動け。見当違いなこともいっぱいやった。あんなことに時間とお金を費やしてバカみたい・・・と振り返ることが多々ある。でも動かないよりずっとマシだ。

イベントは真剣に企画すれば人は来てくれるし、お店の名前やコンセプトを聞いて笑うような奴がいたらそいつが間違っていると思う。(アドバイスをくれる人がいたりする時はちゃんと聞こう)

恐怖心や羞恥心を突破したその先に道がある。頭に思い浮かんだことをやってみること。これが少しずつだか前に進むことになる。

書いた日:2019年7月2日

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